代表理事ごあいさつ
日本の経済社会は、人口減少・少子高齢化が進む一方で、IT技術の発達、価値観の多様化、グローバル化の急速な進展等に伴い、劇的に変化し、不動産を取り巻く環境や都市のあり方も大きく変わっていくことが展望されます。
そして、平均寿命が男女ともに80歳を超えている状況下では、公的年金の受給開始年齢が引き上げられるのは当然ですし、今の制度設計のままでは、もはや公的年金の未来が厳しい時代だからこそ、「貯蓄から資産形成へ」の意味を、私たち一人一人が、改めて考えてみる必要があるのです。
そのためには、経済成長の原動力である大都市の国際競争力を強化し、新しいイノベーションを創出していくことが重要です。また、海外との関係性の構築も不可欠であり、世界中から人材・企業・資金・情報が集積する国際的なビジネス環境の整備や、エリアマネジメント活動の充実、都市の防災性能の向上、観光立国実現に向けた取り組み等を一層進めていかなければなりません。
豊かな住生活の実現に向け、良好な住宅ストックの形成を図り、国内・海外不動産の資産形成バランスの良い、不動産投資を促進することも求められます。ライフスタイルの変化等により多様化する住宅ニーズに対応するとともに、性能の不十分なストックの更新を図るために、老朽化マンションの建替えや改修等に取り組み、新築・既存住宅のマーケットが車の両輪として機能するよう良質で利活用できるストックを形成していくことが大切です。
時代の変化や新しいニーズに的確に対応し、国際的で新たな価値を創造し、持続可能な経済社会の構築に貢献していくことがこれからの不動産業界にとってますます重要となり、期待される使命です。
国民生活の向上と、日本経済の持続的な成長に寄与できるよう努めてまいります。